化学物質

2015年08月24日

 

国立環境研究所 自然災害によるハロカーボン類大量排出の研究結果を発表

Keywords:  化学物質  大学・研究機関 

 

写真:ペンギン
イメージ画像: Photo by MemoryCatcher

国立環境研究所を含む国際研究グループは2015年4月6日、高頻度の大気観測データを用いて、強力な温室効果気体やオゾン層破壊物質であるハロカーボン類(フロン、代替フロンを含む)の国内からの排出量を推定し、ハロカーボン類の大気への排出量が、東日本大震災後に大幅に増加したことを発表した。本研究により、地震や津波などの自然災害が、ハロカーボン類の大量排出を引き起こしうることが初めて示された。

震災後の1年間(2011年3月から2012年2月)におけるハロカーボン類の排出量は、例年より21%から91%増加し、2011年の排出量の増分は、研究対象とした6種全体で6.6キロトン。この量は、オゾン層破壊物質としてCFC-11換算で1.3キロトン、温室効果気体として二酸化炭素換算で19.2メガトンにそれぞれ相当する。CFC-11は既に全廃されているにも関わらず、その排出量には72%もの増加が見られた。

この大量の排出は、エアコンの冷媒や断熱材の発砲剤などとして製品中に含まれていたハロカーボン類が、建物の倒壊や震災廃棄物の処理過程で大気へ漏出したことによると考えられる。

本研究の論文は、2015年3月に米国地球物理学連合発行の学術誌「Geophysical Research Letters」のオンライン版に掲載された。

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