2012年01月11日
Keywords: 地球温暖化 大学・研究機関 生態系・生物多様性
国立環境研究所ら9カ国、18組織による研究グループは2011年10月3日、2011年春季に北極上空で観測史上最大のオゾン破壊が生じ、初めて南極オゾンホールと匹敵する規模のオゾン破壊が起こっていたことを確認し発表した。同研究所は、ロシアにおけるオゾンゾンデ観測を分担した。研究結果は10月3日に「Nature」電子版に掲載された。(冊子版「Nature」誌には10月27日付に掲載。)
同研究グループは、米国の人工衛星搭載センサー及び8カ国の北極圏でオゾンゾンデにより観測を行った。フロン類の排出規制の効果により大気中の塩素濃度総量は減少しているが、今冬の北極圏上空では零下80℃以下という低温状態が約4カ月間継続したため、オゾンを破壊する不安定な活性塩素の増大が継続し、高度18~20kmでのオゾン破壊が80%まで進んだことが確認された。
北極のオゾン量は今回初めて南極のオゾンの最低値の範囲(約1ppmv以下)に入った。低オゾン領域はスカンジナビア半島やロシア北部にかかり、紫外線量が通常より増加した。今後もこのような規模のオゾン破壊が起こる可能性は否定できないので、北極オゾンホールの状況監視が必要であるとしている。
国立環境研究所 北極圏上空で史上最大のオゾン破壊を観測(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/031188.html
登録日時:2012/01/11 06:00:15 AM
2011年春季北極上空で観測史上最大のオゾンが破壊
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2011/20111003/20111003.html
Nature 478, 469-475 (27 October 2011)
2011年春における北極のオゾンホール
http://www.natureasia.com/japan/nature/toc.php?n=15638