エネルギー・地球温暖化

2013年02月23日

 

NIAESと東北大、微生物による世界初のN2O削減技術を開発

Keywords:  地球温暖化  大学・研究機関 

 

JFS/NIAES, Tohoku University Jointly Develop World's First N2O Emission-Cutting Technology Using Microorganisms
Copyright 農業環境技術研究所


農業環境技術研究所(NIAES)と東北大学は2012年11月12日、一酸化二窒素(N2O)還元酵素活性を強化したダイズ根粒菌を作出し、温暖化とオゾン層破壊の原因物質であるN2Oの土壌からの発生を抑制できることを実験室と野外圃場の両方で証明したことを発表した。微生物による世界初のN2O削減技術となる。

CO2の300倍の温室効果を有するN2Oの主要発生源は農耕地で、日本の人為発生源の26%、世界では60%を占めているため、農耕地から発生するN2O削減技術の開発が望まれている。

ダイズの根粒に共生する根粒菌の中にはN2Oを窒素ガス(N2)に還元する酵素を持つものがあり、これがN2Oを除去することを発見した東北大と、N2Oの精密測定技術を確立したNIAESが共同で取り組み、N2O還元酵素活性を7~11倍に上昇させた強化菌の作出に成功した。

同強化菌の培養法と接種法を確立し、パイロットスケールで評価し、次いで圃場レベルで試験を実施した結果、収穫後にダイズ根粒の崩壊において発生するN2O発生を47%削減できた。研究成果は、同日付の英国科学誌「Nature Climate Change」オンライン版に掲載された。

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