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2014年05月04日

 

理研、光合成によるバイオプラスチックの生産効率で世界最高レベル達成

Keywords:  環境技術  大学・研究機関 

 

写真:ラン藻の細胞内に蓄積されたPHA
ラン藻の細胞内に蓄積されたPHA
提供:理化学研究所 / 写真撮影 Ng Kiaw Kiaw

理化学研究所は2014年1月23日、マレーシア科学大学と共同研究を行い、ラン藻に微生物の遺伝子を導入し、光合成によるバイオプラスチックの生産効率で世界最高レベルを達成したと発表した。

生物由来のバイオプラスチックは、石油由来のプラスチックにはない環境負荷低減効果があり、各種用途に使われ始めている。その一つポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の従来の生産法では、培養設備と大量の糖が必要な微生物を使うため、コスト面で課題があった。

共同研究では、CO2を炭素源とした光合成だけで生育できるラン藻に注目した。バイオプラスチック合成に関わる微生物の遺伝子を導入したラン藻を、無機塩類の培養液で育成し、空気中のCO2を炭素源とした光合成を行った結果、ラン藻の乾燥重量の14%に当たるPHAを合成できた。光合成だけのPHAの生産性では世界最高値。さらに、0.4%の酢酸を加えたところ世界トップレベルの同41%までPHAの生産性を高めることができた。

この成果を活用し、太陽光によるクリーンで安全、コスト競争力に優れたバイオプラスチックの生産プロセス構築が進むと期待される。

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