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2014年04月07日

 

東工大、豊田中研、光合成する「人工の葉」開発

Keywords:  環境技術  大学・研究機関 

 

図:人工の葉
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東京工業大学は2014年1月9日、豊田中央研究所と共同で、光を捕集する「人工の葉」を開発したと発表した。この開発は、太陽エネルギーを高効率で化学エネルギーに変換する植物の光合成に匹敵する人工光合成の実現につながる。

植物の光合成は、葉の表面で太陽光を捕集し、これをエネルギー移動によりクロロフィルの集合体に集め、その後反応中心(酸化還元反応を開始する部分)へと集約する捕集・集約の2段階システム。今回の開発も、植物と同様の2段階システムとなっている。

豊田中研が開発した光を吸収する有機分子を多量に含んでいる多孔質材料のメソポーラス有機シリカ(PMO)に、東工大が開発した金属錯体を導入してある。PMOが捕集した光エネルギーは、まず5つのレニウム錯体が集め、最終的にただ一つのルテニウム錯体(反応中心に対応)に集約される。

同システムを二酸化炭素の還元資源化や水からの水素発生を駆動する光触媒と融合することで、太陽エネルギーを化学エネルギーに効率よく変換する人工光合成系の開発につながる。また、光触媒の使用量も削減できる。

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