2013年06月01日
京都大学理学研究科と化学研究所のグループは2013年1月11日、原油回収での水/油分離や分析化学での分離媒体として有効な新しい柔軟多孔性材料(マシュマロゲル)を開発したことを発表した。
マシュマロゲルは物質の表面が高い疎水性をもつため、スポンジを絞るように水から油を迅速に分離回収することができる。また他の有機高分子が分解してしまう300度を超える高温まで安定しており、マイナス130度くらいの低温でも脆くならないシリコン組成のネットワークをもつことから、これまでの有機高分子では不可能であった低温・高温での使用も可能。
原料は安価で、合成過程も簡便。低温条件下での柔軟性を必要とする、新たな応用も期待できる。
今後は様々な有機基をもつマシュマロゲルそれぞれについて、分離媒体としての詳細を解明していく予定。分析化学技術が発展し、水質測定をはじめとした環境化学や製薬など様々な分野の研究が加速することが期待される。