政策・制度・技術

2013年03月06日

 

広島大学、既存技術より大幅に低い400℃で水からの水素生成に成功

Keywords:  環境技術  大学・研究機関 

 

広島大学は2012年11月27日、400℃以下の温度で水から水素を生成することに成功したと発表した。同技術が実用化されれば、太陽熱をより有効に利用できるだけでなく、工場排熱をはじめとする未利用熱を使った水素生成が可能となるため、再生可能エネルギーの利用拡大につながると期待される。

既存の熱化学水分解による水素生成には800℃以上の熱が必要で、太陽エネルギーを利用した太陽炉や原子力を利用した高温ガス炉といった高温熱源が想定されている。しかし、これらを利用するには、建設地の選定や安全性の確保の面で厳しい制約がある。

同大学の研究では、比較的低温で融解して液体状態になるアルカリ金属(ナトリウム)の特性を利用して化学反応を制御することにより、反応温度を低温化し既存技術より大幅に低い400℃で水を分解して水素を生成することに成功した。

今後、反応装置のスケールアップや改良を進め、実用化に向けた研究を展開すると共に、重要な課題であるアルカリ金属を高温で使用した際に生ずる反応装置の腐食の抑制方法を検討する。

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