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2012年09月15日

 

高耐熱性・世界最強度のバイオポリエステル開発に成功

Keywords:  環境技術  化学物質  大学・研究機関 

 

北陸先端科学技術大学院大学は2012年5月9日、同大学マテリアルサイエンス研究科の金子達雄准教授らが、高耐熱性を持つ世界最強度のバイオポリエステルを開発したと発表した。

金子准教授らは、光合成微生物から高等植物まであらゆる植物細胞に含まれる堅い構造の天然分子、桂皮酸誘導体に注目し、これを天然鉱物であるハイドロタルサイト触媒の存在下で重合することで液晶性バイオポリエステルとなることを初めて見出した。

さらに、このバイオポリエステルがガラス表面で自己配向することを発見し、ガラス繊維を混ぜることで、力学強度145Mpaのガラス繊維強化型の高強度バイオポリエステル樹脂の開発に成功した。この樹脂は、305℃の高耐熱性と10GPaの弾性率を持つため、スーパーエンジニアリングプラスチックとしての使用が可能なレベルとなった。

これまでバイオプラスチックは耐熱性や力学強度に問題があり、用途は主に使い捨て分野に限られていたが、今回開発されたバイオポリエステル樹脂は今後、自動車エンジン周りなどの金属やプラスチックの代替物質として設計される予定。自動車の軽量化や産業廃棄物やCO2の削減など、さまざまな応用の展開が期待されている。

三菱ガス化学 植物由来の高耐熱ポリアミド樹脂を開発 (関連のJFS記事)

登録日時:2012/09/04 06:00:00 AM

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