政策・制度・技術

2012年09月14日

 

農研機構など、畜産排水の脱色・リン回収・消毒を同時に行う技術を開発

Keywords:  環境技術  大学・研究機関 

 

JFS/New Treatment System Decolorizes, Recovers Phosphorus, and Disinfects Livestock Wastewater All at Once
左:処理前、右:処理後
Copyright 農業・食品産業技術総合研究機構


農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)畜産草地研究所、千葉県畜産総合研究センター、太平洋セメント、小野田化学は2012年6月6日、豚舎などの畜舎から出る畜産排水の脱色・リン回収・消毒を同時に行う高度処理システムを開発したと発表した。

同システムでは、新たに開発したケイ酸と消石灰から製造した非晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)を使用する。CSHは高い吸着能力を持つ多孔質の微粒子、使用後のCSHは簡単な濾過操作で回収できる。

通常の浄化処理を行った畜産排水1トン当たり0.5~1.5kgのCSHを添加し2~6時間反応させる実証試験において、リン酸態リン除去率90%以上、大腸菌群除去率99%以上、色度40~80%低減を確認した。回収したCSHは、リン以外にもカルシウム、マグネシウム、ケイ酸などの肥料成分を含み肥料として活用できる。

リンの回収は水質汚濁防止と省資源の両面で効果があり、放流水の色度低下と衛生面の向上は畜産農家が地域の中でスムーズに生産活動を続けていくためにも重要。今後コスト面の低減などを図り、同システムの普及を目指す考え。

登録日時:2012/09/14 06:00:15 AM

English  

 

 

このページの先頭へ