エネルギー・地球温暖化

2011年12月28日

 

国立環境研究所 北半球高緯度地域の気温上昇は従来予測より大と推定

Keywords:  地球温暖化  大学・研究機関  生態系・生物多様性 

 

JFS/Temperatures at Higher Latitudes of Northern Hemisphere to Rise More than Predicted
本研究で推定された気温変化量と全気候モデル平均値の差
Copyright 国立環境研究所


国立環境研究所は2011年9月20日、北極海の海氷の大きな減少により、北半球高緯度地域で、従来予測より大きな気温上昇の可能性を示唆する論文を発表した。同論文は、米国学術誌「Journal of Geophysical Research -Atmosphere-」に同月17日付で掲載された。

複数の大気海洋結合モデル(地球全体の大気・海洋を計算するコンピュータシミュレーションモデル、以下GCM)を用いて将来の気候変化予測が行われているが、モデルによって気温上昇量や空間分布特性など、細かい点では異なるという不確実性がある。その不確実性を低減するため、同所で開発した多変量解析を利用した統計手法を応用し、また、20世紀後半の気象データとを利用し、将来気温変化を推定した。

推定された将来の気温上昇量は、全球的に、用いた21のGCMの出力を単純平均した気温上昇量より高くなった。特に、北半球の高緯度地域では顕著で、1.5~2.0℃大きい値を示し、この値は、これまでの単純平均値に比べると信頼性が高い。同地域では、北極海の海氷の大きな減少により、GCMの出力の単純平均値と比較して、実際にはより大きな気温上昇が起こる可能性がある。

国立環境研究所の予測、近未来に世界各地で極端な高温増加(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/024605.html

登録日時:2011/12/28 06:00:15 AM


English  

 

参照元

国立環境研究所 複数の大気海洋結合モデルを利用し将来気温変化を推定
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2011/20110920/20110920.html


 

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