2011年09月07日
Keywords: 化学物質 大学・研究機関 生態系・生物多様性
物質・材料研究機構は2011年5月18日、セシウムを高濃度に吸蔵し、長期間にわたって安定に閉じ込めることができる新しい材料を開発したことを発表した。放射性セシウム同位体の処理技術の進歩に貢献することが期待される。
放射性セシウム同位体であるセシウム137は、半減期が30年と長く、水溶性が高いため、熱的・化学的に安定な固体化合物(固化体)に吸蔵させた上で地下深く埋蔵処分するのが、環境への拡散を防ぐ上で有効とされている。従って、少ない体積でセシウムを高濃度吸蔵し、さらに長期間にわたって安定に閉じ込めできる固化体が求められる。
本研究では、熱・化学安定性に優れた「酸化チタン」を固化体として、常圧下で調整し利用することにより、セシウムの高濃度吸蔵を実現した。加えて、チタン酸固化体はセシウムの溶出を強く抑制する特殊な性質を持ち、閉じ込め効果に優れていることを実証した。
高レベル廃棄物には、ストロンチウム90をはじめとする多種類の放射毒性元素も含まれる。セシウム同様ストロンチウムも、熱・化学的に安定な単結晶チタン酸固化体として処理できることが分かってきており、将来的に本研究の一層の活用が期待される。
原発事故は国民の「今後のエネルギー」に関する意識をどう変えたか?
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登録日時:2011/09/07 06:00:15 AM
独立行政法人物質・材料研究機構 セシウム吸蔵・安定閉じ込め材料の開発に成功
http://www.nims.go.jp/news/press/2011/05/p201105180.html