花王、第９回GSC賞の経済産業大臣賞を受賞

大手化学メーカーの花王は2010年２月26日、「第９回グリーン・サステナブル　ケミストリー賞（GSC賞）」の経済産業大臣賞を受賞したと発表した。

受賞した技術は「亜臨界水を応用した低環境負荷な界面活性剤合成プロセスの実用化」。食器用洗剤、シャンプー、皮膚洗浄剤などの製品に幅広く使用されている界面活性剤「アルキルグリセリルエーテル（AGE）」は、グリシジルエーテルの水和反応により合成する。従来の合成法では触媒や溶剤を使用していたが、水を高温高圧の亜臨界と呼ばれる状態で用い、水のみで反応を完結する技術を開発した。

同技術により、反応時間を従来の９時間から３分に短縮して効率化し、反応器サイズは260分の１にコンパクト化した。また、触媒・溶剤を使用しないことや利用した水をリサイクルすることで、廃棄物が大幅に削減できた。同プロセスは2005年から同社和歌山工場で稼働している。

GSC賞は、化学系の学会・団体および国立研究所により2000年に設立されたグリーン・サステナブル　ケミストリー　ネットワーク（GSCN）が主催して、GSCの推進に貢献のあった法人などに毎年贈られるもので、今回は４件が受賞した。

「第9回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞」の経済産業大臣賞を受賞
http://www.kao.com/jp/corp_news/2010/20100226_002.html
グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク GSC賞 受賞者
http://www.gscn.net/awards/gscaw-2009.html

登録日時：2010/06/09 06:00:15 AM