2006年03月04日
東京工業大学は、2005年12月19日、同大学資源化学研究所の原亨和・助教授らによる研究グループが、硫酸に匹敵する固体の触媒を、安価な原料から製造する方法を開発したと発表した。
硫酸は活性が高く、化学工業において触媒として広く使われているが、液体であるため反応生成物と混ざり合ってしまい、硫酸を取り除くためのコストがかかるうえ、硫酸を再利用できないという欠点がある。こうした欠点のない固体の触媒が必要とされていた。
同研究グループは、糖類やデンプン、セルロース等の安価な有機材料を加熱し、炭化させて微小なカーボンシートとし、これをスルホン化処理することにより、スルホン酸基が高い密度で結合した固体触媒の合成に成功した。
本触媒は、硫酸と同等以上の触媒活性を有し、高い安定性を備えている。バイオディーゼル燃料の合成においては通常の固体触媒の8倍という高い活性を示した。今後、石油化学製品や燃料電池材料の合成などに利用できる見込み。本研究は「Green chemistry: Biodiesel made with sugar catalyst」の表題で英誌Natureのvol.438,no.178に掲載された。
http://www.titech.ac.jp/home-j.html
登録日時: 2006/03/04 10:44:28 AM
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