交通・モビリティ

2004年11月17日

 

環境ホルモンや金属が溶け出さない船底塗料を開発

Keywords:  交通・モビリティ  企業(製造業)  化学物質  大学・研究機関 

 

奈良先端科学技術大学院大学の藤木道也教授の研究グループ(代表 内藤昌信助手)が、船底塗料として有機スズに代わり、かつ有機金属を溶出しない材料の開発に成功した。2004年5月に研究成果を発表し、非溶出型、非環境ホルモン型の船底塗料を世界に先駆けて開発したものと注目を集めている。

有機スズは船底に付いて船の速度を低下させるフジツボやカキ殻などの付着を防ぐため、世界中で広く使われていたが、環境ホルモン作用のため貝類などに悪影響がでていることが1980年代に指摘され使用されなくなった。2008年には、国際海事機構により使用が完全に禁止されることになっている。

代替有機スズとしては現在、亜酸化銅や亜鉛などが使われているが、この場合も有機金属の溶出が問題となっている。今回開発された材料は、ガラスの曇り止めにも用いられる特殊な抗菌活性シリコンを、目に見えないほど微小な網目構造の樹脂の中に強固な化学結合によって組み込み、海水中に溶出しないようにしたもの。

同研究グループは塗料メーカーの日本ペイントと連携して、瀬戸内海で塗料を塗った板を浸漬する実験に入っており、2004年5月の時点で好成果を得ている。さらに高性能、高機能化をはかり2008年までには製品化を目指したいとしている。






登録日時: 2004/11/17 01:53:11 PM

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