エネルギー・地球温暖化

2004年08月21日

 

温暖化によって、果樹生産環境は……?

Keywords:  地球温暖化  大学・研究機関  生態系・生物多様性  食糧 

 

農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所は、果樹生産に及ぼす温暖化の影響についての研究結果と2003年に実施したアンケート調査の結果を発表した。すでに温暖化の影響が出始めており、2060年代には果樹の栽培適温地域が現在よりも北上することがわかった。

全球気候モデル(ECHAM4/OPYC3等)に基いて農業環境技術研究所が開発した気候変化メッシュデータを使用、30年後、60年後の姿を推定した。その結果、現在東北各県と長野県で生産されているリンゴは、2060年代には北海道へ北上する。ウンシュウミカンの生産地は、現在の関東、東海近畿の沿岸部や瀬戸内、四国、九州地方から、2030年代には北陸沿岸部から東北南部まで北上、2060年代ではさらに北上するという。

また、47都道府県の果樹関連研究機関は、アンケート調査で「温暖化の影響がみられる」あるいは「温暖化の影響とは断定できないが、温暖化の影響らしき現象が起きている」と回答し、すべての都道府県で温暖化の影響が出始めていると認識していることが分かった。

永年生の果樹は、稲や野菜などの1年生作物に比べて気象への依存性が高く、気候変動に即応できないため、大きな影響が出るものと考えられる。今後予想される問題に対応した技術や品種の開発を早急に始める必要があるとしている。



http://fruit.naro.affrc.go.jp/announcements/kisya/H16/06-09/kaju_ondanka.html




登録日時: 2004/08/21 03:13:45 PM

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