政策・制度・技術

2004年03月22日

 

氷見市、絶滅危惧種・イタセンパラの保護活動を本格化

Keywords:  政策・制度  NGO・市民  地方自治体  政府  生態系・生物多様性 

 

富山県氷見市では、2003年、絶滅危惧種である淡水魚・イタセンパラの捕獲・増殖事業を開始。年度内には保護池が完成し、住民を巻き込んだ保護活動が本格化する。

濃尾平野、富山平野、淀川水系にのみ生息する国の天然記念物・イタセンパラ(コイ科)は、ブラックバスなど外来魚による捕食や、河川環境の悪化により個体数が激減。1995年には国内希少野生動植物種に指定された。

氷見市の万尾川では、1990年イタセンパラが確認されて以降、河川改修に環境配慮型工法が採用されてきた。また仏生寺川でも1998年に生息を確認。調査の結果、外来魚が同じ場所に生息しており、隔離した場所での飼育・繁殖が必要と判断された。

同市では文化財保護法と種の保存法の手続きを経て、2003年5月、稚魚を捕獲。文化庁と富山県の援助を受けながら水槽飼育に取り組み、順調に推移してきた。年度内には住民の協力を得て、川の水が入り込まない谷あいの地域に100-150m2の調整池、保護池を造成し、本格的な増殖事業に移る。住民が池の監視役を担うなど、地域が一体となった保護活動を目指す。

氷見市では、イタセンパラを「地域の宝」と位置づけ、住民参加を得ながら河川環境保護や増殖事業を継続し、多様な自然が生きていける環境を後世に残したいと考えている。






登録日時: 2004/03/22 09:09:56 AM

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