化学物質

2014年07月04日

 

理化学研究所とカネカ 非食料系バイオマスからプラスチックの合成に成功

Keywords:  化学物質  大学・研究機関  環境技術 

 

写真:PHAを蓄積したRalstonia eutropha
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理化学研究所と大手化学メーカーのカネカは2014年3月29日、複数の微生物に高分子量化合物「リグニン」の誘導体と芳香族カルボン酸を与えた芳香族化合物から、バイオプラスチックの一種である「ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)」を合成したことを発表した。得られたPHAはフィルムなどのプラスチック製品として利用可能な物性を示した。

生物由来のバイオマスを主原料とするバイオプラスチックは、石油由来のプラスチックの有力な代替材料候補として注目されているが、実用化に向けた一つの課題として食料系バイオマスを原料にすることによる食料問題の悪化があげられており、 非食料系バイオマスを原料に利用することが望まれている。

未利用の非食料系バイオマスとして知られるリグニンは、PHAの前駆体となる成分を含む一方で、リグニンを原料とするPHAの生産にあたっては、分解性が低いことや分解物が毒性を示すこと等の課題が残されていた。共同研究グループはそれらの課題を解決し、微生物を利用したバイオプラスチック合成に取り組み成功した。

今回の成果により、これまで困難とされていたリグニンを用いた微生物による物質生産の基盤技術の構築が進むと考えられる。

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