政策・制度・技術

2006年05月09日

 

経団連、燃料電池の普及のための規制改革を要望

Keywords:  政策・制度  企業(製造業)  環境技術 

 

日本の総合経済団体である日本経済団体連合会(日本の代表的な企業を含む1,541社・団体等が会員。2002年7月16日現在)は、2002年10月15日、規制改革の要望をまとめ、政府に提出した。その中には、燃料電池を普及するために、以下のような要望項目が含まれている。

○燃料電池発電設の小電力発電設備扱い
今後小容量燃料電池の一般家庭等への普及が期待されているが、現行制度は大きな障害となるので、燃料電池発電設を小電力発電設備扱いすることを要望する。

○燃料電池の建築物からの離隔距離
現状の規制では、燃料電池発電設備は、家庭向けの小型のものであっても、火力発電設備に準ずるとされ、建築物から3m以上の距離を保たねばならない。しかし、現在各社が開発中の家庭用燃料電池システムは、キュービクルの表面温度が60度C以下であり、木壁面温度も100度C以下になるため、離隔距離を0.1mとしても火災予防上問題ない。したがって、燃料電池の建築物からの離隔距離を、家庭用ガス給湯器(12-70kW)と同等の60cm、側面15cm程度とするよう要望。

○燃料電池自動車の普及促進に向けた諸規制の見直し(水素ガス搭載車に係わる基準等の見直し)
現状は、水素ガス搭載車に応じた基準等が定められていないため、一般の高圧ガス容器と同様の規制を受ける(天然ガス搭載車両については、天然ガス搭載車両に応じた容器の基準や検査周期等が定められている)。その結果、例えば、車載状態のままでの検査や車検周期に合わせた検査が出来ない(天然ガス搭載車両では可能)。したがって、燃料電池自動車の普及に向けて、水素ガス搭載車両に応じた基準等を早急に整備することを要望。

○燃料電池自動車の普及促進に向けた諸規制の見直し(水素ステーション設置に係わる基準等の見直し)
現状では、水素ステーションに応じた基準等が定められていないため、一般の高圧ガス設備と同様の規制を受ける(天然ガス・ステーションについては、天然ガス・ステーションに応じた基準が定められている)。また、建築基準法の用途規制により、水素ステーションが設置できるのは実質的に工業地域及び工業専用地域に限定されている。従って、燃料電池自動車の普及に向けて、水素ステーションに応じた基準等を早急に整備し、少なくとも、天然ガス・ステーションと同等の取り扱いを認め、建築基準法の用途規制(高圧水素の貯蔵量規制)を、天然ガス・ステーションと同等レベルまで緩和することを要望する。

○燃料電池自動車の普及促進に向けた諸規制の見直し(水素ガス搭載車の走行に関する規制の見直し)
現行の道路法では、水底トンネルの構造の安全と交通の危険を防止するとの観点から、危険物を搭載する車両の通行が制限されており(水素については、液体水素で600kg以下、水素ガスの場合60立方メートル以下)、トンネル内等の燃料輸送及び高圧ガスを車載している燃料電池車のキャリアカーでの移動に際して問題となる。従って、安全性の確認を行いつつ道路運行上の制約を出来る限り緩和し、燃料電池車であるが故に通れない道路は基本的になくすよう要望する。


http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2002/062.html




登録日時: 2006/05/09 02:18:38 PM

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