3R・廃棄物

2004年06月23日

 

富山大学が毒劇物移動管理システムを開発

Keywords:  3R・廃棄物  化学物質  大学・研究機関  政策・制度 

 

富山大学では、学内で使用される全ての化学薬品の納入から廃棄にいたる全過程をコンピュータネットワークで一括して管理する「薬品管理支援システムTULIP(Toyama University Lab. chemicals InPut system)」を開発した。2004年4月から本格的に導入するとともに、全国の国公立の大学や試験研究機関等を対象に無償提供(オープンソース化)をはじめた。

日本では2001年にPRTR法(化学物質排出把握管理促進法)が施行された。それまで、化学薬品は保管だけを管理すればよかったが、現在では、大気、排水への排出量、他の事業所への移動量など全て把握、公表することが義務付けられている。大学のように各研究室が個別に多種類の薬品を少量ずつ扱うところでは、PRTR法への対応が難しく、各大学は頭を悩ませている。

そのため富山大学では、学内の廃液処理業務を担当している水質保全センターが中心となり、現場の声を集めて、システムを3年がかりで開発。既存の学内LANをそのまま使い、取り扱いの負担が軽い、なおかつ多様なニーズに柔軟に応えることができるシステムとなっている。4月現在、学内で薬品類を扱う研究室のほぼ95%が利用しているほか他大学からも高い関心が寄せられている。

このシステムでは、薬品の使用者が使用のつど、薬品の種類、量を入力し、薬品の移動先を選択すると自動的に受払簿や廃液の内容物の記録が作成できる。またソースコードを公開していることから各事業所に特化したシステムの改修も可能である。なおPRTR法対象の354品目以外に2万種類以上の薬品情報を網羅したデータベースを備えているので、学生の環境、安全教育にも役立つことが期待されている。






登録日時: 2004/06/23 01:59:46 PM

英語記事はこちら


 


 

このページの先頭へ