2003年12月26日
Keywords: 交通・モビリティ 企業(製造業) 化学物質 環境技術
第13回日経地球環境技術賞の受賞者が発表された。大賞はダイハツ工業インテリジェント触媒開発グループが選ばれた。
ガソリンで走る自動車の排出ガスには、有害物質(一酸化炭素、窒素酸化物など)が含まれているが、これらの有害物質が直接大気に放出されることのないよう、触媒によって化学反応を起こし無害化している。化学反応を促進するのは、パラジウムや白金などの貴金属の微粒子だが、熱に弱い貴金属は、隣り合う微粒子とくっつきながら大型化してしまうため、触媒としての機能は徐々に低下してしまう。
触媒性能の低下を防ぐために、世界中の自動車メーカーの多くが「あらかじめ貴金属を増量して対応しよう」と考え、自動車メーカーの貴金属使用量が大幅に増加してきた。しかし、貴金属は、電子・化学分野や、歯科用などの広い範囲でも使用され、かつ限られた貴重な資源であることから、自動車用途での使用量削減が望まれていた。
ダイハツは「貴金属の粒子を大型化させない方法」を見つけようと研究を進め、ナノテクノロジーによって、貴金属を微粒子よりもさらに小さいイオンとして原子レベルでセラミックの結晶の中に配置することで、大粒化しない技術を開発した。
この技術によって、いつまでも触媒としての性能を維持すると共に、貴重な資源である貴金属(パラジウム)の使用量を約70%も削減できた。
http://www.nikkei.co.jp/events/honor/m_honor.html
登録日時: 2003/12/26 04:56:16 PM
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