3R・廃棄物

2003年10月09日

 

セイコーエプソン、半導体業界初のフッ酸廃液のクローズドリサイクルを実現

Keywords:  3R・廃棄物  企業(製造業)  化学物質  政策・制度  環境技術 

 

セイコーエプソンは、ゼロエミッション活動の一環として、半導体製造時に使用するフッ酸(HF)の廃液から高純度の蛍石(フッ化カルシウム CaF2)を生成する技術を開発した。これによって、再び半導体製造工程で使用できるレベルのフッ酸へ戻すクローズドリサイクルが可能となった。

同社は、事業活動から発生する廃棄物の100%再資源化のみならず、発生する廃棄物そのものの量を削減し、より高次元の再資源化を目指す活動に取り組んでいる。今回のフッ酸廃液のクローズドリサイクル技術は、この活動の一環として、半導体製造を行う事業所が約2年に渡って研究を進め、半導体業界として初めて確立したもの。

半導体製造工程では、シリコン酸化膜をエッチング(除去)するためにフッ酸を用いるが、エッチング後の不純物を含んだフッ酸廃液は、処理してフッ酸として再利用する。しかし、純度が低いために、再び半導体製造に使用することはできず、鋼鉄メーカー等でステンレス等の表面処理用として再利用されていた。

同社では新技術を用いて、2003年8月中旬より自社工程で使用したフッ酸廃液から高純度の蛍石を再生する再資源化を開始。再資源化した蛍石はフッ酸の原料となり、このフッ酸は自社工程で再利用できるため、年間約80トンの廃棄物(低純度の蛍石)を削減すると同時に、フッ酸の原料となる蛍石の採掘量も削減できる。




登録日時: 2003/10/09 07:30:53 AM

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