エネルギー・地球温暖化

2017年06月28日

 

2015年度温室効果ガス排出量、省エネ・再エネ効果で2010年度並みに下がる

Keywords:  地球温暖化  再生可能エネルギー  省エネ 

 

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環境省は2016年12月6日、2015年度の温室効果ガス排出量の速報値を発表した。総排出量は13億2100万トン(CO2換算、以下同じ)で、2年連続の低下となり、東日本大震災前の2010年度の排出量13億100万トンにつぎ、この10年では3番目に低い排出量となった。その要因としては、省エネの進展や再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大などが挙げられる。

この10年では、2008年に発生したリーマンショック後の景気後退に伴って、2009年度に12億4800万トンと最低の排出量を記録したが、2011年3月に発生した東日本大震災による原発の停止を受けて排出量が上昇に転じ、2013年度には14億500万トンに達した。2014年度には省エネなどによる電力消費量の減少や再エネの導入拡大による電力由来の排出量の減少があり、13億6200万トンに減少した。2015年度はさらに前年比3.0%(4100万トン)の減少となった。

東日本大震災前の2010年度と比較すると、発電電力量は2010年度の1兆64億kwhに対し13.2%減の8739億kwhであった。電源種別内訳は、2010年度:原子力(28.6%)、石炭(25.0)、LNG(29.3)、石油(7.5)、水力(8.5)、地熱・新エネ(1.1)、2015年度:原子力(0.8%)、石炭(30.8)、LNG(43.4)、石油(8.9)、再エネ(14.9)、その他(1.2)、再エネには水力を含む。発電部門のCO2排出量は2010年度:3.74億トン、2015年度:4.44億トン。再エネの中では太陽光発電の割合が大きく、累積導入出力が3500万kw規模になった。

温室効果ガスの種類別の排出量では、二酸化炭素(CO2)が92.6%、その他(メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、代替フロン等4ガス)が7.4%であった。2010年度はCO2が93.2%、その他が6.8%であった。その他で増加したのは、オゾン層破壊物質からの代替に伴い、冷媒分野においてハイドロフルオロカーボン類(HFC5)の排出が増加したためである。

エネルギー起源のCO2の排出量を2010年度比で見ると、産業部門(工場等)4億1300万トンで1.9%減、運輸部門(自動車等)2億1600万トンで6.9%減、業務その他部門(商業・サービス・事務所等)2億4900万トンで14.7%増、家庭部門1億8200万トンで5.2%増、エネルギー転換部門(発電所等)8820万トンで10.1%増、合計で2.3%の減少であった。前年比では各部門共に減少であった。

夏季の気温上昇は冷房需要で、冬季の気温低下は暖房需要でCO2排出量を増やす。主要9都市の月平均気温が前年比で1℃以上差があった月は、6月が1.1℃低く、12月が3.2℃高かったので、排出量を増やす方向ではなかった。

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