2014年02月20日
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北海道大学は2013年11月21日、科学技術振興機構と国際協力機構と共に、インドネシアの研究機関との国際共同研究により、熱帯泥炭地のCO2排出量の長期・連続観測に世界で初めて成功したことを発表した。
熱帯泥炭湿地林は生物多様性の宝庫であり、かつ地球上に現存する有数の炭素貯蔵地でもある。そこで火災などが発生すると、多様な生物相が失われるのみならず、莫大なCO2が排出されて地球温暖化の大きな要因となることが懸念される。
同大学は、インドネシア中部の3種類の生態系(未排水の泥炭林、排水された泥炭林、排水された火災跡地)でC02輸送量を測定し、4年間のデータを分析した。更に、排水された火災跡地では微生物分解によるCO2排出量の連続測定にも成功した。
その結果、いずれの生態系でも常にCO2は排出されていること、環境撹乱が進むと排出量は大きくなること、エルニーニョの年(乾燥年)に最大となることが世界で初めて実証された。
また、熱帯泥炭地のCO2排出量が地下水位から類推できることが判明したため、衛星データと組み合わせることで広範囲の炭素管理が可能となった。今後、カーボン・オフセット制度等への適用が期待される。