2013年09月20日
法政大学の明石孝也教授は2013年3月11日、太陽電池やLED電球に使用されるガリウムを、鉱石から920倍に濃縮する技術を開発したと発表した。
太陽電池などに使用されるガリウムは、ほとんどを海外からの輸入に頼っており、需要増加や供給国の輸出規制などによる、不安定な供給や価格の変動が問題となっている。そこで、安定供給のために、国内産の鉱石からガリウムを高濃度に分離回収する技術が期待されている。
明石教授はガリウム含有鉱石を1000℃で加熱する、炭素熱還元-高温酸化法を開発し、ガリウム含有鉱石中に含まれる50ppmのガリウムを920倍に濃縮することに成功した。また、この手法は溶液を用いない乾式のため、従来の湿式法と異なり廃液処理を必要としない。
今後は国内企業と連携し、装置の大型化、濃縮率の向上を行い、同技術の実用化を目指すとしている。