ニュースレター

2003年08月01日

 

「人々とともに地球温暖化を緩和するために」 - 東京電力 TEPCO

Keywords:  ニュースレター 

 

JFS ニュースレター No.11 (2003年7月号)
シリーズ:持続可能な社会をめざして--日本企業の挑戦  第1回
http://www.tepco.co.jp/index-j.html

5月号のニュースレターで取りあげたように、日本のエネルギー消費はこの30年間傾向として上昇を続けています。1973年のレベルを100として、産業、商業/家庭、輸送のセクター別で見てみると、消費が大きく伸びているのは商業/家庭(207)と輸送(209)で、特に家庭(226)と自動車輸送(270)で急激にエネルギー消費が増えています。京都議定書を批准した日本にとって、議定書で定められた温室効果ガス削減目標(-6%)を達成するためには、家庭や国民一人ひとりの積極的な取り組みが不可欠な状況にあります。
http://www.japanfs.org/ja/join/newsletter/pages/027231.html

今月号では、日本最大の電力会社である東京電力が、家庭でのエネルギー消費の抑制のために行っているユニークな取組みについてご紹介しましょう。

東京電力は、社員数約4万人で、東京を含む関東地域の約4,300万人に電力を供給しています。これは日本の電力供給量の約1/3にあたります。CO2との関係で見ると、火力、原子力、水力、地熱、自然エネルギーからの発電により、全体として1億740万トン、排出原単位販売電力量あたりでは0.381kg/kWhのCO2を排出しています。

この数値は、水力発電比率の高いカナダ(0.21kg/kWh)と原子力発電比率の高いフランス(0.07kg/kWh)には及ばないものの、他の欧米諸国(米国0.59、ドイツ0.50、イギリス0.44)と比べて低いレベルとなっています。現在、同社は、CO2排出原単位(販売電力量当たりのCO2排出量)を2010年までに1990年度比マイナス20%にする目標を掲げています。

2002年8月1日から同社は、一般家庭に日々の暮らしの中でどれだけCO2が排出されているかを知ってもらい、省エネルギーやCO2排出削減に積極的に参加してもらうことを狙いに、電気ご使用量のお知らせ(検針票)や同社のホームページを使って、家庭でできる地球温暖化対策についての情報提供を開始しています。

具体的には、検針票を活用した情報提供では、電気、ガス、灯油、ガソリンの単位当たりのCO2排出量を検針票裏面に表記し、各家庭で毎月のエネルギー源別およびトータルのCO2排出量を知ることができるようにしています。さらにホームページ上の、毎月のCO2排出量を自動的に計算できるページ「CO2家計簿」では、その月に使用した電気、ガス、灯油、ガソリンの量を打ち込むと自動的にCO2排出量を計算してくれます。

東京電力の社員が今年の1-4月に実際にこのCO2家計簿を実施した結果、平均で一世帯あたり月約716kg-CO2という結果がでました(世帯平均3.34人)が、例えばこの結果は、キャラクターの犬によるメッセージとして次のように表示されます。

「あなたの家庭は1ヶ月で716kg CO2を排出しています。これは、森林に換算して196本が吸収するCO2の量とほぼ同じ量です。」

また、家庭にとってより直接的に気になること、つまり、経済的なメリットについても計算が出来ます。『暮らしのCO2ダイエット』のページでは、家庭でのCO2排出削減のための様々な情報を提供しています。ここでは、CO2排出削減のために暮らしの中で身近にできる行動を提案する「エコスタイルエッセンス」と、顧客の努力によるCO2削減効果と節約費で表示する「エコスタイルプランニング」のページがあります。

冷蔵庫、コンロ、電子レンジ、電気炊飯器、エアコン、自動車などの様々な項目について具体的に始められるアイデアが示されており、自分のライフスタイルを見直し、今日から1年間続けられると思う項目やすでに取り組んでいる項目など該当するものにチェックをしていくと、一年間又は一ヶ月でどれだけのCO2排出を削減できるかだけではなく、自分の財布にとってもどれだけのお金の節約になるかを計算してくれます。最後には、次のようなメッセージが示されます。

「あなたの家庭では、すでに取り組んでいるエコスタイル行動で1年間に21kgのCO2を削減(1,460円節約)していることになります。また、新たに取り組む行動で1年間に1,515kgのCO2を削減(90,100円節約)できることになります。これらを合わせると、樹木419本が1年間で吸収するCO2の量とほぼ同じです。また、日本の全家庭があなたの家庭と同様の取り組みをすると、1年間で約7,375.2万tのCO2を削減できることになり、これは1990年の日本のCO2排出量の約6.6%にあたります」

このメッセージを読む時、私たちはCO2排出量を1990年比で10%減にするのは容易ではないかもしれないが、逆に言えばやってできないことはないのだということを、感じとることができるのです。

(東京電力の環境活動について更に詳細を知りたい方は、TEPCO環境行動レポートをご覧下さい。)
http://www.tepco.co.jp/csr/index-j.html

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