エネルギー・地球温暖化

2006年11月04日

 

魚が温暖化ガスの発生を抑制

Keywords:  地球温暖化  大学・研究機関  生態系・生物多様性 

 

水田に魚が生息していると、温暖化ガスのメタンガスの発生が抑えられることが、琵琶湖博物館と首都大学東京の調査で判明した。この研究は、琵琶湖博物館が1996年の開館以来行っている研究プロジェクトの一部として行ったもので、2005年から分析を始め、2006年7月25日までに結果がまとめられた。

メタンガスはCO2の約20倍の温室効果があると言われているが、水田がメタンガスの大きな発生源であるという事実は、以前より報告されていた。メタンガスは、メタン細菌が有機物を酸化分解して発生するが、水田に魚がいると、水田中の有機物を捕食するため、メタンガスの発生が減る。研究による試算では、メタンガスの発生は10分の1に抑えられるという。

また、魚が生息することで分解される有機物の量が減ると、水田土壌が酸化的状態となり、施肥などで生じるリンが土壌中の鉄と結合し、水田に留まる作用もある。富栄養化の原因となるリンを土壌中に留め、沼湖などに流出するのを防ぐことで、水質汚染防止の効果も期待できるという。



http://www.lbm.go.jp/index.html




登録日時: 2006/11/04 12:07:55 PM

英語記事はこちら


 


 

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