交通・モビリティ

2003年04月10日

 

コミュニティ・タクシー、快走中

Keywords:  交通・モビリティ  地方自治体 

 

愛知県と岐阜県の境にある江南市は、温暖な気候・風土にめぐまれた人口10万の市。2002年1月に、この江南市に空車タクシーを利用したコミュニティ・タクシー『いこまいCAR』が誕生。全国でも例をみない地域密着型の交通機関は、地域と人をつなぐユニークな交通機関として、1年経った現在でも快走を続けている。

コミュニティ・タクシー『いこまいCAR』が誕生したのは、民間バス3路線の廃止がきっかけ。自治体と民間タクシー会社が協力して運営している。日中の空車タクシーを活用することで、市民はこれまでのバスよりも安く駅や病院、体育館などへ行くことができるようになった。

料金は一人1乗車100円(小学校入学前の子どもは無料)、前払い制。5人まで乗車できるタクシーを、路線バスと同じように乗り合いで運行され、決められたルートを走る。ルートには「のりば」の案内があり、そこで乗り降りする。朝8時半から夕方5時までの間に、272便もの『いこまいCAR』が市内を循環している。市内を走るコースは8コースあり、全コース30分間隔で運行している。

「江南市の公共施設をつなぎ、市民の地域社会への参加促進という目的でスタートしました。市役所から放射線状にコースを作り、江南駅、病院、体育館、公会堂のほか、ショッピングセンターやスーパーなどもコースに入れました。1日に平均して80-90名の利用客がいるという統計結果ですので、“市民の足”として利用していただいていると思います」と江南市役所企画課担当者。「駅までの利用者が一番多く、また高齢者の方が病院や買い物の往復に利用されているようです。この3月で、1年間の試行期間が終了します。4月からは、コースや時間、乗り継ぎの解消など利用者の声に応え、再編成した『いこまいCAR』になります」とのこと。

料金と引き換えにもらう「利用済券」は、20枚で花の種3袋と取り替えてもらえる。江南市は“花いっぱい運動”を進めている。

公共交通機関は、地域の人々の足として欠かせないものの、利用者の減少や経営の赤字などにより、縮小・廃止するケースが各地で見られる。この江南市の民間会社と組んでのコミュニティ・タクシーの試みは全国の注目を集めている。






登録日時: 2003/04/10 10:09:43 AM

英語記事はこちら


 


 

このページの先頭へ