エネルギー・地球温暖化

2003年02月26日

 

原子力発電所問題で供給力低下、東京電力、節電キャンペーン

Keywords:  原子力  企業(非製造業)  政策・制度  省エネ 

 

東京電力は、原子力発電所の点検・補修時にひびなどを公表せず、修理記録に虚偽の記載をしていたなどの問題を受け、綿密な保守点検を実施しているが、首都圏の電力需要をまかなえなくなる可能性もあるとして、大口需要家および一般ユーザーを対象に節電を呼びかけている。

東京電力では、原子炉全17基のうち、2003年1月末までに、12基の運転を止め、残りの原子炉も順次止めて点検する予定。首都圏の電力の約4割は福島県、新潟県の原子力発電に依存しているため、原子力発電所の点検停止により、非常に厳しい寒さの場合などには、首都圏の電力需要をまかなえなくなる可能性があるという。

2002年12月より、大口需要家を訪問し、一般ユーザー向けには新聞広告・チラシ・検針票裏面・テレビ、ラジオCMなどで、節電の協力を呼びかけている。冬季に節電キャンペーンを実施するのは1973年の第一次オイルショック以来。

節電を呼びかける一方で、長期に計画停止していた火力発電所の運転再開、予定していた火力・水力発電所の定期検査・補修の繰り延べ、他の電力会社からの電力融通のほか、新設火力発電所の運転開始の繰り上げや、試運転電力の活用も検討している。

2月までは供給力対策の実施により、供給予備力の低下をある程度くいとめられる見込みだが、東京の平日昼間の気温が0℃近くまで下がるような非常に厳しい寒さで、かつ停止している原子力プラントが3月以降も停止を継続する場合には、予備率が0%となる厳しい状況となる。

東京電力は、2002年5月に、1980年代後半から90年代にかけて行った原子力発電所の点検・補修作業において、ひびやその兆候で未公表のものや、修理記録等における虚偽の記載など、不適切な取り扱いが行われた可能性があるとの指摘を、点検・補修作業を実施したGeneral ElectricInternational Inc GE社から受けた。






登録日時: 2003/02/26 09:50:18 AM

英語記事はこちら


 


 

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