2018年03月22日
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気象庁は2017年11月27日、全球の海洋酸性化の監視情報について、世界で初めて毎年定期的に提供を開始すると発表した。情報は、気象庁ホームページ「海洋の健康診断表」を通じて更新され、気候モデルの検証や国内外の適応策検討等の基礎資料としての利用が期待される。
海洋は、大気から地球温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素を吸収してきたことから、海洋酸性化(=水素イオン濃度指数(pH)の低下)が世界規模で進行している。それに伴い、サンゴやプランクトン等の海洋生態系に影響が及ぶことが懸念されている。
気象庁は2隻の同庁観測船の観測データをはじめ、国際的な観測データを用いた全球の表面海水におけるpHの解析手法を開発し、その手法を用いて、1990年以降のpHを解析した。
その結果、全球平均のpHは、1990年以降約0.05(10年あたり0.018)低下していた。この低下速度は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書で報告された「産業革命以降の約250年間で全球平均約0.1低下(10年あたり約0.004低下)」より速く、現在予測されている今世紀末までの低下速度に匹敵することが分かった。