2016年12月07日
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幅広い建材・設備機器と住関連サービスを提供するグローバル企業LIXILグループは2016年8月25日、衛生環境の未整備が世界経済にもたらす損失に関する調査報告を発表した。衛生設備の不備による世界の経済損失は、2015年までの5年間で22%増加して2229億ドル(約22兆円、1ドル=100円で換算)に拡大。衛生環境の未整備による影響を受けている調査対象国で平均するとGDPの0.9%に相当し、2010年の1%からはわずかに減少した。
衛生設備の不備が世界にもたらす経済損失のうち、早期死亡に伴う人的損失が半分以上の55%を占めており、アフリカだけでみると75%にも上る。残りの4分の1には、衛生設備の不備に関連する病気の治療費および病気による生産性の低下、トイレやプライバシーの保てる場所を見つけるためにかかる時間の損失が含まれる。
地域別に経済損失の総額を見ると、衛生環境の悪さにより最も大きな経済的損失が生まれているのはアジア太平洋地域であり、そのコストは金額にして1723億ドル、世界全体の経済損失の4分の3以上を占めている。国別の経済損失額を見るとインドが圧倒的に高く、2015年のインドの経済損失1067億ドルは世界全体の損失のほぼ半分を占め、インドのGDPの5.2%に相当する。
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アフリカは深刻な衛生問題に直面しており、衛生設備の不備による経済損失が、2010年の155億ドルから2015年の193億ドルと24.5%も増加している。この経済損失額はアフリカのGDPの0.9%に相当し、この割合はインドを除いた世界の平均水準を上回っている。また、国別に経済損失額がGDPに占める割合をみると、上位10カ国はサハラ以南アフリカおよび南アジアに集中している。
報告書では、すべての人に持続可能な衛生ソリューションを提供するためには、以下の3つを優先分野として取り組む必要があるとしている。
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本調査は、LIXILグループが国際NGOのWaterAidおよび英国に本拠を置く研究機関Oxford Economicsと連携して実施した。LIXILグループは、様々なパートナーとの協働を通じて、世界の貧困地域で必要とされる安価で効果的な衛生ソリューションを開発し、2020年までに1億人の衛生環境を改善することを目標としている。