エネルギー・地球温暖化

2007年10月27日

 

海洋機構、海面のCO2を自動観測できる小型装置の性能試験を開始

Keywords:  地球温暖化  大学・研究機関 

 

海洋研究開発機構むつ研究所は2007年6月28日、大気・海洋間のCO2吸収・放出量の分布を全球規模でより正確に把握するため、自動測定可能な海洋表層二酸化炭素分圧観測装置(漂流型自動観測ブイ)を開発し、太平洋熱帯赤道域で性能試験を開始したと発表した。

海洋は地球表面積の約70%を占め、大気中のCO2の約60倍量を貯蔵している。その詳細なデータを得るためには、従来の観測船の精密観測のほかに、人工衛星や自動観測ブイ等の開発を含めた海洋二酸化炭素観測網の整備が必要とされていた。

今回開発された漂流型自動観測ブイは、高さ50cm、重量約15kgと小型軽量。長期にわたる無人の自動観測を可能とするため、海水と測定溶液の間のCO2濃度を等しくする液液平衡方式を用い、測定溶液中のpH色素の色変化を分光学的に観測する方法を採用した。センサー光源部にはLEDを用いて電力消費量を抑え、生物付着を効果的に防止する素材として銅やシリコン系樹脂を使用するなど環境保全に配慮した。

性能試験では、同年6月20日に海面付近の海水中の二酸化炭素分圧の自動計測および衛星を通じたデータの送受信が行われたことが確認された。今後、2008年7月まで観測を継続し、装置の劣化・耐久性の試験および経時変化の状況の検認を行い、回収後詳細なデータ分析を行う予定。



http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070628/index.html


http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070628/photo_1.html


登録日時: 2007/10/27 04:02:59 PM

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