お金の流れ

2018年01月26日

 

日本株運用にESG要素を組み込むために3つのESG指数を選定

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GPIF website.
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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2017年7月3日、日本株運用に環境(E:Environment)・社会(S:Social)・ガバナンス(G:Governance)のESGの要素を組み込むために3つのESG指数を選定した、と発表しました。今回選定した3指数の特徴について、ESG指数選定の目的、期待される効果、選定プロセスなどを含めお伝えします。

GPIFは日本株の3つのESG指数を選定し、同指数に連動したパッシブ運用を開始しました。昨年夏以降ESG株価指数の公募を実施し、国内外から合計14社が27指数を応募。これらは(1)ESG評価の高い銘柄を選別する「ポジティブ・スクリーニング」(2)公開情報をもとに企業のESGを評価し、その評価手法や評価結果も開示(3)ESG評価会社及び指数会社のガバナンス体制・利益相反管理の3点を重視して、選定されました。

ESG3要素をすべて対象とした総合型指数として、英系のFTSEと米系のMSCIの両指数、社会に絞ったテーマ型としてMSCIの女性活躍指数を選びました。選定したESG指数に基づくパッシブ運用については、当初は国内株全体の3%程度、約1兆円で運用を開始しています。

選定された3指数は、国内外の環境・社会・ガバナンス要因への対応力が優れた企業のみを選定する「FTSE Blossom Japan Index」、親指数の各業種からESG評価が高い銘柄を該当する業種の時価総額50%になるまで選定する「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」、親指数の各業種から性別多様性スコアが高い上位半数の銘柄を選定する「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」です。このほか、環境のテーマ型指数について、継続して審査を行っています。

高橋則広理事長は「今回選定したESG指数の活用が、日本企業のESG評価を高めるインセンティブとなり、長期的な企業価値の向上につながるよう期待している。ESGを重視する海外の長期投資家がこの点に着目すれば、日本株の投資収益が改善する可能性も高まる。こうしたインベストメント・チェーンの最適化を図ることができるのが、ユニバーサル・オーナー(広範なポートフォリオを持つ大規模な投資家)であるGPIFの役割だ」とコメントしています。

ESG投資拡大がもたらす好循環として、企業のESG対応強化のインセンティブ拡大、日本企業のESG評価向上、ESG投資・日本株のパフォーマンス改善、年金財政の健全化というように、持続可能な社会の構築につながります。GPIFは中長期的に投資の効果を確認しながら、将来的には他のESG指数の活用やアクティブ運用など含めて、ESG投資を拡大するとしています。

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