2003年01月04日
Keywords: 3R・廃棄物 交通・モビリティ 企業(製造業) 企業(非製造業) 地球温暖化 環境技術
富士通と清水建設は、東京都蒲田での富士通新棟建設工事現場で、解体コンクリートの再利用」の技術を用い、解体現場からのコンクリートガラの運び出しをゼロとした。その結果、工事用車両(10トントラック)11,000台分の走行を削減し、580トンの二酸化炭素排出量を削減した。
工事現場は、蒲田駅近くの住宅地に隣接しており、細い道や通学路があるため、近隣住民への配慮がかかせない。できるだけ大型トラックの運行を抑えたい富士通と、かねてから建設工事現場でのリサイクル技術の開発を進めていた清水建設が、工事現場内にプラントを設置することで、コンクリートの場内リサイクルが実現した。
この敷地には6階建てと11階建ての建物が建っていたが、築後約30年が経ち、7階建てと3階建ての建物に建て替えている。2003年10月竣工予定。既存の建物を解体する際に、普通コンクリート2.3万トン、軽量コンクリート2.3万トンのガラが発生する。
普通コンクリートのガラは、加熱・すりもみという高度な処理を行うことで、品質を維持した骨材とセメント微粉末に分離。骨材は新しい建物の建設で再利用する。セメント微粉末と、軽量コンクリートガラを粉末にしたものは、新築建物の基礎部の地盤形成に用いる。
これによって、あわせて4.6万トンのコンクリートガラはすべて場内で処理リサイクルのうえ、新築現場で再利用され、場外への排出はゼロとなった。骨材の再利用ができるため、建材費は低減したが、プラント設置により全体のコストは若干高めになった。しかし、周辺住民への配慮や社会的な意義から有効な取り組みであり、今後の展開が期待される。
http://www.shimz.co.jp/sheet/341-110/341-110.html
登録日時: 2003/01/04 08:04:30 AM
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