2009年02月21日
Keywords: 交通・モビリティ 企業(製造業) 大学・研究機関 環境技術
東京大学生産技術研究所と泉陽興業株式会社などは2008年11月、省エネ型都市交通システム(通称「エコライド」)の開発に向けた実験線を同研究所千葉実験所構内に敷設したと発表した。軌道の高低差を利用した省エネ型走行システムの開発と脱線防止性能に優れた車両とレールの接続構造を用いて、低振動・低騒音に優れた車両と軌道を開発することがねらい。
実験線は、全長約100メートルで高低差が約3メートル、最大下りこう配7.4度のレール状のコースに箱型の乗り物を時速約20kmで走らせ、走行抵抗や車両の速度を電気エネルギーとして回収する実験を行う。営業線では、線路のところどころに車両を引き上げる駆動装置があり、ジェットコースターと同じ原理で位置エネルギーを獲得し、平均時速20km、最高速度40kmで走行する。
この研究は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けて、同研究所らが2006年度より進めてきた。10km 未満の短距離を標準タイプとしているので、幹線鉄道や地下鉄等の大量輸送とマイクロバス・タクシー等の少量局地輸送との中間的な輸送手段としての利用が期待される。
試算では、輸送に必要なエネルギーはバスの3分の1以下ですみ、建設コストは距離1キロ当たり20億から30億円とモノレールの5分の1程度。4年後の実用化をめざす。
位置エネルギーを活用した世界初の省エネ型交通システム
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/publication/topics/2008/
20081114press1.pdf
泉陽興業株式会社
http://www.senyo.co.jp/
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/
東京大学生産技術研究所 千葉実験所
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/chiba/
須田研究室HP
http://www.nozomi.iis.u-tokyo.ac.jp/index-j.html
登録日時: 2009/02/21 06:00:15 AM